新しい湯沢町の観光資源になるか!?

11月17日、当館から車で15分の所にある「大源太キャニオン」に行ってきました。

この大源太キャニオンは年間4万人以上の人が訪れる人気の観光拠点なのですが、3年前からそこのダムの大きな工事が行われており、一部観光が難しくなっていました。そんな大源太の工事でしたが、メインとなるトンネル掘削が終了して地元向けに見学会が行われたのでお邪魔させてもらいました!その見学内容を簡単にご紹介します!ダム好きにはたまらないですよ!

【大源太のダムの詳細と工事の詳細は一番最後に書いています】


まずはダムや工事の概要を説明していただきました。工事の全体が見れる場所で見学会に来た方全員でパシャリ!


こちらはダムの水を迂回させるための水路(トンネル)の掘削現場。鉄の板で周囲を囲んで水を汲み出して、トンネルを掘ったそうです。そりゃあ時間がかかる工事になるはずです!


トンネルの内部はこんな感じ!壁面が白いのは、防水の布で、この布を付けたまま後からコンクリートで固めるとのことです。確かに布の向こうからたくさん水が出てきている様子を感じられました。それにしてもSF感がすごくて、重機とのミスマッチ感がものすごくシュールで面白い!!(笑)


トンネルの先にはこれまた特殊な機械が!掘ったトンネルの周囲をコンクリートで固める重機です。こんな特殊な機械を間近で見られるのもそうそうありませんが、その重機を乗り越えてトンネルの先を見に行けるなんてとても貴重な体験でした!

さて気になるトンネルの先には大迫力のダムの滝!!
…写真をお見せしたいところではあるんですが、残念ながらものすごい水しぶきでちゃんと撮れませんでした、すみません。

でもものすごい迫力で、もし、ここが工事後も見学通路として残るというのであれば、これはぜひ行っていただきたい場所です!また工事中ではございますが、「補修中のダム」を間近で見られる機会なんて滅多にありません!「工事中だから行かなくていいや」ではなく、「工事中だからこそ行ってみよう!」なダムですので、ぜひお立ち寄りいただければと思います!

大源太周辺についてはこちらをご覧ください。
その他色んな体験メニューもありますので、ぜひお気軽にご相談ください!

【以下ダムの詳細と工事の詳細】
大源太には国の登録有形文化財になっている「大源太川第1号砂防堰堤」という日本で最も初期のアーチ式砂防堰堤があります。昭和10年(1935年)にあった未曾有の暴風雨により大水害があり、昭和6年(1931年)に開通した関東と日本海を結ぶ大動脈の上越線も壊滅的な被害を受けてしまいました。この大災害を契機に、大源太川第1号砂防堰堤を作ることになり、昭和13年~14年に完成しました。
ダムの構造は、ダムの体積が最も少ない「アーチ式」のダムを採用し、またダムの表面は整然とキレイに並べた「矢羽(やばね)積」で仕上げ、その内部は工事で出た岩石を詰め込んで隙間をコンクリートで詰める構造により、当時は高価だったコンクリートをできるだけ節約するように作られていました。
手間がかかる美しいダムの表面の仕上げ、そして美しいダムのアーチ形状により「登録有形文化財」に登録、また歴史的・文化的価値の高い土木構造物として「選奨土木遺産」に認定されたこの「大源太川第1号砂防堰堤」ですが、77年の時を経てダムの各所から水漏れがあり、またセメント成分が流出したことによりダム内部の空洞化が進んでいたため、補修をすることになりました。
補修の際には、現在のダムの上流側に3mほどの厚みのコンクリートを設置するのですが、その時に現在の湖の水をさらに上流側でせき止め、あふれる水をダムを通さずにダムの下流に迂回させなくてはいけません。そこでダムの脇を通るように仮のトンネルを掘り、ダムの補修が完成するまで水を迂回させることになりました。今回はこのトンネルが貫通したので、このトンネルの内部を見学させていただくことになったのです。
ちなみに湯沢町の町長はこのトンネルを、ダムの補修工事が終了後も、見学用トンネルとして活用し、美しい「矢羽積」を間近で見れるようにできないか、と交渉中とのこと。うまくできるかどうかはわかりませんが、もしできたら湯沢の魅力がまた1つ増えそうです(^ ^)